タマシギ雌の呼び声

   
   
   
  ▼雌雄ともに大きな丸い目玉。鳥類に限らず動物界の全般的傾向に反し、雄よりも雌のカ
ラーコーディネートの方が勝っている。抱卵子育てが専ら雄の役割りというのも驚き。一
雌多雄の繁殖習性があり、卵を産んだ雌は雄に抱卵を任せて巣を離れ、次の繁殖行動(
新たな雄を捜す)に移行する。これを繁殖期間中に二度・三度・・・と繰り返すというの
だが、さてこのタマシギの独特の習性、どのような過程を経て獲得したものかと、改めて
生物進化の不思議を思う。
▼繁殖期を通じて雌は、しばしば夕方から夜にかけて<コォーコォーコォー>と鳴き、こ
の声の前に<ウッウフー>という声を数回出すことが多いと言われる。周辺にいる雄に向
けて、「自分が今繁殖期にある」というアピールだろう。今年の6月にタマシギを観察し
ていて、昼下がりの午後2~3時ごろに雌が突然鳴き始めた。あれが雄たちへの、次の繁殖
に向けた呼び声だったのだろう。