コチドリ夫婦と雛たち
| ○抱卵失敗の1年目(2019年) | ||
| ▼ここ数年来マイ・フィールド内で、一定の時季になるとしばしばコチドリを | ||
| 見かけるポイントがあり、偶然にも一昨年コチドリの擬傷行動を目撃する。 | ||
| 場所は家の近くの水田地帯のど真ん中、一枚だけが周囲の水田から嵩上げされ | ||
| て畑地となり、その脇を狭い農道が通る。抜け道としてこの道を車で通過中に、 | ||
| 辺りの水田や畑地の上にコチドリを見ていたのだが・・・。 | ||
| ▼まさかこんなところで抱卵とは思いがけなく、しかし擬傷行動するからには | ||
| 近くで抱卵中か?雛がいるでは?畑地の隅に車を止めコチドリの行動を追って | ||
| いると、ほんの数メートル先、農道直近に撒かれたコンクリート礫に蹲る。卵 | ||
| から離れた時を狙って覗いてみると、既に卵を2個抱えている。農道に近く農 | ||
| 作業車が止まったり、出会った車がすれ違うスペースになってる場所で、どう | ||
| 見ても抱卵を続けられるような環境ではない。 | ||
| ▼抱卵に気付いた翌日、気になってコチドリの様子を観察に行くと、予想に違 | ||
| わず、早くも抱卵地点から卵は消えて、離れた場所に困惑した風情でコチドリ | ||
| 夫婦が佇んでいる。卵の消えた原因は不明、タイヤで踏まれた形跡はなく、卵 | ||
| の破片も残ってない。周囲を遊弋・徘徊するカラスやトビ、あるいはイタチや | ||
| へビなどといった天敵の仕業なのかもしれない。 | ||
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| ○再び抱卵失敗の2年目(2020年) | ||
| ▼今年もそろそろ飛来するころかと、出かける途中に田中の畑地を注意してい | ||
| ると、4月中旬になってコチドリ1羽を確認。その後はしばらく見かけなくな | ||
| ったが、6月に入って畑地の中間あたり-消石灰か何かが固まって撒かれたあ | ||
| たりに、蹲るコチドリを発見する。やっぱり・・・昨年の失敗に懲りず、再チ | ||
| ャレンジするつもりらしい。大丈夫かなぁ~と言うのが、偽らざる感想。 | ||
| ▼その後の経過はいかにと、時折り細い農道を通って観察を続ける。今回は農 | ||
| 道から5~6m離れた位置で、車に轢かれる恐れはないとしても、周囲の天敵 | ||
| は少なくない。こちらの心配をよそに、コチドリ夫婦は雨にも負けず、交尾シ | ||
| ーンを見せたりして、着々と卵の数を増やしている様子。 | ||
| ▼夫婦交替で卵を抱いているが何個かは不明、ただちょうど交代期にこちらか | ||
| ら卵2個が見えたので、それ以上であることは間違いないようだ。このまま孵 | ||
| 化できるといいのだが・・・と思っていた矢先、抱卵場所に蹲るはずのコチド | ||
| リの姿が消える。?何処へいった?一帯を見渡していると、昨年とそっくりの | ||
| 情景-畑地と水田の境界あたで、呆然と佇むコチドリ夫婦の姿を認める。 | ||
| ▼予感した通りの恐れていた結果を前にして、こちらも呆然。 | ||
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| ○そして3年目の2021年 | ||
| ▼子育てに失敗続きのコチドリ、さて今年も来るか?ここは諦めて何処かもっ | ||
| とよい場所を捜して、ここには来ない方がよいのだが・・・と思っていると、 | ||
| 6月6日に1羽の飛来を確認すると、すぐに翌日の7日にはツガイでいるのが | ||
| 見られた。そうか(同一個体か同一ツガイかは置くとして)今年も諦めず、途 | ||
| 中で二度も失敗に終わったこの場所で、また子育てを試みるようだ。 | ||
| ▼6月10日、昨年の抱卵場所よりさらに数メートル奥の畑地隅で、地面に蹲る | ||
| 親鳥を確認する。仮にこの日を産卵(開始)日とすると、7月5日ごろには雛が | ||
| 誕生する計算になろうか。事件・事故なく無事に抱卵期間終了となればいいの | ||
| だが、そうやすやすとは行かないのが厳しい自然の現実。 | ||
| ▼6月30日、推定した産卵日の間違いが判明。抱卵場所に親鳥の姿なく、畑地 | ||
| 一帯を観察すると、比較的高い場所にいて周囲に気配りする様子の親鳥が見え | ||
| る。その周辺の低地をよく見ると・・・・何か小さいモノが動いているようだ。 | ||
| ついにと言うか、やっと雛の誕生が確認できた。孵化した雛の数は4羽。逆算 | ||
| すると飛来が確認できた6月6日には、既に抱卵を始めていたことになる。 | ||
| ▼なにはともあれ当地での、コチドリ夫婦の初の成功に拍手したい。 | ||
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